押し入れとベッド下の収納を、キャンプ道具が圧迫していました。
「子どもが大きくなったら、また一緒に使えばいい」
そう思って残していた道具です。キャンプに飽きたわけではありません。でも、子育てをするうちに、その「いつか」は当分来ないと分かってきました。
また家族でキャンプをしたい。その気持ちは残したまま、道具を手放した話です。
真冬に3連泊するほど、キャンプが好きだった
キャンプを始めたのは、2019年の秋。当時は長野住まいの夫婦2人でした。「結婚後3年は2人の期間を楽しもう」という妻の提案もあって、週末は思い切り遊んでいました。
コロナ禍のおうち時間に、YouTubeの「タナチャンネル」にハマり、道具も増えていきました。気づけば、直径5メートル・高さ3メートルの巨大なワンポールテントを持って、長野や富士山麓のキャンプ場へ出かけるように。
2020年の大晦日からは、ふもとっぱら、ほったらかしキャンプ場、洪庵キャンプ場と3連泊。テントの中でも氷点下8℃でした。その寒ささえ楽しくて、また行きたくなるくらい、夢中でした。
キャンプに行かなくなっても、道具は残した
夫婦で最後に行ったのは、2021年1月のまつもと里山キャンプ場です。
妻は長男を妊娠していて、つわりがありました。自宅から近い場所を選んだのですが、その夜は具合が悪くなり、妻を車で家まで送りました。私はテントに戻って一泊し、翌日、妻を迎えに行って一緒に撤収しました。
それからキャンプには行かなくなりましたが、道具は一度に手放したわけではありません。長男が生まれた長野のころも、東京に移ってからも、いくらかは残していました。
子どもが大きくなって、一緒にキャンプができるようになったら、また使おうと思っていたからです。
「いつか使う物」が、今の暮らしでは不用品になっていた
けれど、実際に子育てをしてみると、家族で気軽にキャンプへ行ける日は、まだ先だと分かってきました。
手放すまでの間に子育てを経験して、道具の出番はしばらく来ないと確信していました。いつ使うかは決まらないまま、押し入れやベッド下の場所だけは使い続けています。
キャンプ道具は、気づいたら、今の暮らしでは不用品になっていたんです。
キャンプが好きなことも、子どもと行きたいことも変わりません。ただ、その気持ちを持っていることと、道具を持ち続けることは、別でした。
テントを売ることが、出産準備だった
道具を完全に手放したのは、双子が生まれる前後です。
増えていく育児用品と、限られた自宅の収納。当分使わない巨大テントを売ることは、わが家にとって出産準備のひとつになりました。その後、家族5人で仙台への引っ越しに備えました。
夫婦で思い切り遊んで、「やり切った」と思えていたことも、気持ちの面では大きかったと思います。でも、道具を手放す判断ができたのは、子育てをしながら、今の暮らしで使うかどうかが見えてきたからでした。
また行きたい気持ちは、今もある
長男が生まれて5年が経った今も、下の子は1歳。家族で気軽にキャンプへ行ける状況ではなく、再開はまだ先になりそうです。
手放した当時に「しばらく出番はない」と思った判断は、今振り返っても、自分たちの暮らしに合っていたと思います。キャンプ道具を手放したことを、後悔はしていません。
また始めるときは、子どもたちと一緒にテントを選んで、行き先も一緒に考えたいです。
家族でまたキャンプをしたい。その日まで、道具を持ち続けなくてもよかった。
テントを売っても、その楽しみは残っています。

コメント